離れた拠点のカメラを、VPNなしで自社コンソールに採用する
こんにちは、NET INNOVATION です。
UniFi Protect の Early Access 版に、離れた場所にあるカメラを、自社のコンソール(NVR)へ直接アダプト(採用)できる「Protect Teleport」 という機能が追加されました。
これまで UniFi Protect のカメラは「コンソールと同じネットワークにいること」が前提で、別拠点のカメラを使うには拠点間 VPN を組むのが定番でした。Protect Teleport を使うと、現地にインターネット回線さえあれば、現地に UniFi 機器がなくてもカメラを本拠点の Protect に登録して録画できます。
今回、弊社の2拠点で実際に試し、リモートアダプトに成功しました。その手順と、途中でつまずいたポイントを共有します。UniFi Protect でカメラと入退室をまとめて運用した実例は別記事「UniFiで監視カメラと入退室を1画面に統合した実践レポート」にまとめています。
ご注意 本記事の内容は 2026年9月25日時点の Early Access(先行公開版) での検証結果です。正式版では仕様や画面が変わる可能性があります。本番環境への導入は正式リリースを待つことをおすすめします。
Protect Teleport とは
UniFi のゲートウェイには、以前から Teleport というワンクリック VPN 機能(WireGuard ベース)があります。Protect Teleport はこれを使って、離れた場所のカメラを本拠点の UniFi Protect へ安全につなぐ仕組みです。
公式リリースノートでは、次のように説明されています。
- 離れた場所のカメラを、自分のサイトに直接アダプトできる
- 対応カメラは G6 シリーズと AI シリーズ
- 受ける側(本拠点)には Teleport を有効にした UniFi Cloud Gateway が必要
- カメラ側のネットワークは UniFi でも他社製ルーターでも可(UniFi スイッチも不要)
なお、2026年9月時点では以下の機種は非対応です。
- Doorbell Lite / G6 PTZ / G6 Mini Dome / AI Multi Sensor 2・4
必要なバージョン(2026年9月時点・すべて Early Access)
| 項目 | 必要バージョン | 今回の検証環境 |
|---|---|---|
| UniFi OS(コンソール) | 6.0.9 以上 | 6.0.10 |
| UniFi Protect | 7.3.53 以上 | 7.3.68 |
| カメラファームウェア | 5.5.13 以上(5.5.21 以上推奨) | 5.5.21 → 5.5.29 推奨 |
| Protect アプリ(iOS) | 3.12.0 以上 | 3.12.0(TestFlight) |
| Protect アプリ(Android) | 3.9.0 以上 | — |
検証環境
- 本拠点A:UniFi Cloud Gateway Fiber(UCG Fiber)
- 本拠点B:UniFi Dream Machine Pro Max(UDM Pro Max)
- カメラ:G6 Instant(Wi-Fi カメラ)
- 回線:au ひかり
手順
1. コンソールを Early Access に更新する
UniFi OS の Updates 画面で、UniFi OS と Protect を Early Access チャネルに切り替えて更新します。
Protect 7.3 に上げると、Protect の 設定 > 一般 に 「Remote Camera Adoption」 という項目が追加されます。ここに 「Teleport Enabled」 と表示されていれば準備完了です(設定は Network アプリの Teleport と連動しています)。
2. Network で Teleport を有効にする
UniFi Network の 設定 > VPN で Teleport を有効にします。
3. コンソールの WAN に IPv6 アドレスを持たせる(重要)
ここが今回一番のハマりポイントでした。(詳しくは後述)
UniFi Network の 設定 > インターネット > WAN で IPv6 を有効にし、WAN に IPv6 アドレスが付いていることを確認します。au ひかりの場合は次の設定で取得できました。
- IPv6 接続タイプ:DHCPv6
- プレフィックスデリゲーションサイズ:/56
※ Teleport に必要なのは WAN 側の IPv6 です。LAN 側の IPv6 は必須ではありません。日本の回線で UniFi の WAN に IPv6 を持たせる設定は、別記事「UniFiでv6プラス固定IPを終端する実装記録」でも詳しく触れています。
4. カメラのファームウェアを事前に上げておく
新品のカメラは、Teleport 対応前の古いファームウェアで出荷されている場合があります。未採用のカメラを遠隔で更新する手段はないため、次の流れで準備します。
- 手元でいったん通常どおり(ローカルで)アダプトする
- Protect からファームウェアを最新(5.5.21 以上、できれば 5.5.29 以上)に更新する
- Protect からカメラを削除(リセット)する
削除しても、ファームウェアのバージョンはそのまま残ります。
5. スマホの Protect アプリを Early Access 版にする
App Store / Google Play の通常版アプリには Teleport 機能が入っていません。
- iOS:UI Community の Protect iOS 3.12.0 リリースページにある TestFlight のリンクからベータ版をインストール
- Android:UI Community の Protect Android 3.9.0 リリースページから入手
6. 現地でカメラをアダプトする
カメラを現地のネットワークにつなぎ、Early Access 版の Protect アプリでカメラを検出させます。アダプトの画面で Teleport の選択肢 が表示されるので、採用先のコンソールを選べば完了です。
G6 Instant のような Wi-Fi カメラの場合は、アプリから現地の Wi-Fi 情報を設定します。
ハマりポイント
ハマり①:「コンソールと同じ WiFi ネットワークに接続する必要があります」と表示される
原因:スマホアプリが通常版(3.11.x)だった
通常版のアプリでは Teleport の選択肢が出ず、従来どおり「コンソールと同じネットワークに接続して」と求められます。TestFlight で 3.12.0 に更新したところ、Teleport の設定画面が表示されるようになりました。
ハマり②:片方の拠点だけ「Teleport が無効です」と表示される
原因:コンソールの WAN に IPv6 アドレスがなかった
2拠点とも UniFi OS・Network・Protect のバージョンはまったく同じ。Teleport も有効で、Protect の設定にも「Teleport Enabled」と表示されていました。それでも UDM Pro Max 側だけ「Teleport が無効」と言われ、アダプトできませんでした。
2拠点の設定を見比べたところ、アダプトできた UCG Fiber は WAN に IPv6 アドレスがあり、できなかった UDM Pro Max にはありませんでした。 UDM Pro Max の WAN を DHCPv6(PD /56)に設定して IPv6 アドレスを取得させたところ、すぐにリモートアダプトに成功しました。
UniFi の公式ヘルプでも、Teleport は「状況によって WAN 側の IPv6 接続が必要」とされています。Protect Teleport を使う場合は、コンソールの WAN に IPv6 を持たせておくのが確実です。
補足:Teleport のアドレス帯は変更できない
Teleport で接続してきた機器には、192.168.X.0/24 のレンジから未使用のサブネットが自動で割り当てられます(弊社の環境では 192.168.2.0/24 でした)。このサブネットは管理画面からは変更できません。現地の LAN が同じレンジと重なるとアドレスが衝突するため、念のため確認しておきましょう(カメラファームウェア 5.5.29 では、アドレスが重なった場合のアダプトが改善されています)。
まとめ
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| コンソール | UniFi OS 6.0.9+ / Protect 7.3.53+(Early Access) |
| Teleport | Network の VPN 設定で有効化 |
| WAN の IPv6 | 必須級。ないと「Teleport が無効」になる |
| カメラ | G6 / AI シリーズ、FW を事前に更新してからリセット |
| スマホアプリ | Early Access 版(iOS 3.12.0+ / Android 3.9.0+) |
Protect Teleport を使えば、店舗・倉庫・工事現場・別荘など、UniFi 機器を置いていない場所のカメラも、本拠点でまとめて録画・管理できるようになります。拠点間 VPN の設計や、現地ルーターのポート開放が不要になるのは大きなメリットです。
一方で、現時点ではまだ Early Access で、公式の手順書も出ていません。弊社では引き続き情報を追いかけ、正式リリース後に改めてご紹介する予定です。
UniFi Protect を使った監視カメラの導入や、複数拠点のネットワーク構築については、営業を介さず現役のエンジニアが直接ご相談を伺います。お気軽に NET INNOVATION までお問い合わせください。現地調査・お見積りは無料です。あわせてセキュリティ設備のページもご覧ください。
関連記事
参考リンク
- UniFi Protect iOS 3.12.0 リリースノート(UI Community・Early Access)
- UniFi Protect Android 3.9.0 リリースノート(UI Community・Early Access)
- UniFi Protect Cameras 5.5.29 リリースノート(UI Community・Early Access)
- UniFi Gateway - Teleport VPN(Ubiquiti Help Center)
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