ネットワーク屋が、カメラと入退室まで「1画面」にしてみた
UniFiというと「コスパの良いWi-Fi・ネットワーク機器」というイメージが強いかもしれません。しかしUniFiの本当の強みは、ネットワークだけでなく、監視カメラ(UniFi Protect)と入退室管理(UniFi Access)までを、1つの管理画面でまとめて運用できることにあります。
私たちNET INNOVATIONは、自社オフィスにこの統合構成を実際に導入しました。この記事では、監視カメラと入退室を導入・運用してみた実際を、設置場所や録画容量、解錠方式といった導入検討で必ず気になる具体まで踏み込んでレポートします。特にUniFi Accessの入退室は日本語での実例情報がまだ少ないため、これから検討する方の参考になれば幸いです。
監視カメラ編(UniFi Protect)
どこに、どんな画角で置いたか
今回設置したカメラは3台です。
- G6 Pro Turret:事務所玄関と倉庫ドアの入口監視に設置
- G6 Instant ×2:オフィスエリアに1台、キッティング作業スペースに1台
「まず押さえたい出入口」と「作業内容を記録したいエリア」という考え方で配置しました。カメラ選びは台数を増やすほどコストがかさむので、何を映したいのかを先に決めるのが失敗しないコツです。
録画容量はどのくらい持つのか
導入検討でよく聞かれるのが「録画は何日分残るのか」「ストレージはどうするのか」という点です。
当社の場合、司令塔である UDM Pro Max に3TBのHDDを搭載し、最高画質で録画しても20日以上は残る運用ができています。UniFi Protectは録画用のストレージを本体に内蔵できるため、別途レコーダー(NVR)を用意する必要がなく、構成がシンプルになるのも利点です。
顔認識・夜間画質・スマホ通知の実力
正直なところ、価格を考えると画質や機能には驚かされました。顔認識の精度はかなり高く、夜間もきれいに映る印象です。動きを検知するとスマートフォンに通知が届き、そのまま映像を確認できる——この一連の流れがスムーズで、日々の運用で「使える」と感じています。
入退室編(UniFi Access)
日本語での実例がまだ少ない領域なので、実際にやってみて分かったことを具体的にお伝えします。
社員はどうやって解錠するのか
解錠には NFCと顔認証を併用しています。基本は顔認証で解錠し、うまく認証できないときのためにNFCも使えるようにする、という運用です。加えて、スマートフォンをかざして解錠できる「Touch Pass」(iPhoneではApple Walletに登録して使います)も1年分の利用が付属していたため、現在試用しているところです。
「かざす」「顔を向ける」だけで解錠できるので、鍵やカードを取り出す手間がなく、日々の出入りが快適になりました。
一番苦労したのは「UniFiの設定」ではなかった
意外に思われるかもしれませんが、UniFi Access側の設定でつまずいたポイントは特にありませんでした。一番頭を使ったのは、もともと電子錠を付ける想定ではなかった扉に後付けするための、鍵(電気錠)の選定・壁の穴あけ・配線ルートです。
今回は倉庫が引き戸だったため、引き戸に合うマグネットロックタイプを選定しました。「UniFiを入れる」こと自体より、既存のドアや建物にどう組み込むかが実務の勘所になります。ここは現地を見て判断する必要があり、まさにエンジニアが直接確認する意味が出る部分です。
「締め出し」や停電は大丈夫なのか
入退室管理で誰もが不安になるのが、閉じ込め・締め出しや、停電・ネット断のときにどうなるかです。当社の設計は次のとおりです。
- 倉庫は人がいる間は基本的にドアを開けているため、締め出しが起きにくい
- マグネットロックタイプは停電時に解錠される仕様のため、電源が落ちても閉じ込められない
- ネットワーク機器・アクセスポイント・給電用PoEスイッチ(LANケーブル経由で機器に電源も供給するスイッチ)はすべてUPS(無停電電源)で給電しているため、仮に事務所玄関にも鍵を付けた場合でも締め出しは起きない設計
- 物理鍵も併用し、最終的な逃げ道を確保
「便利だけど、いざというとき閉じ込められないか」という不安に、設計できちんと答えることが大切です。
統合の真骨頂——カメラと入退室が連動する
ここまでカメラと入退室を個別に紹介しましたが、UniFiの一番の強みは両者が同じ画面・同じ基盤で連動することです。
たとえば当社では、登録していない人物を検知したらアラーム通知が飛ぶ設定にしています。実はこの通知、入退室リーダー(Access)のログではなく、カメラ側(UniFi Protect)の顔認識機能を使っています。倉庫ドア前を捉えているG6 Pro Turretが未登録の顔を検知すると、Alarm Manager経由で通知が飛ぶ仕組みです。
こうした**「カメラ×入退室×ネットワークの連動」を管理画面ひとつで設定できる**のは、すべてが同じプラットフォーム上にあるからこそ。入退室のタイミングに合わせた映像をすぐ呼び出せるので、「誰がいつ入ったか」を映像とログの両面で確認できます。別々のメーカーのカメラと入退室システムを組み合わせていたら、この連動は簡単には実現できません。
中小企業にとっての「1社・1画面」の安心感
ネットワーク・監視カメラ・入退室を1つにまとめる最大のメリットは、管理画面ひとつからすべての機能にアクセスできることです。しかも製品ごとにUIの操作感が変わらないため、一度覚えればすぐに使いこなせます。「カメラの管理画面」「入退室の管理画面」「ネットワークの管理画面」を別々に覚える必要はありません。
当社では、お客様専用の操作マニュアルの作成や、操作トレーニングの提供も可能です。「導入したはいいが使いこなせない」を防ぐところまでサポートします。
まとめ
UniFi Protect(監視カメラ)とUniFi Access(入退室)は、ネットワークと同じ基盤で統合運用できる、中小企業にとって非常に相性の良いソリューションです。録画容量・解錠方式・締め出し対策といった実務のポイントを押さえれば、コストを抑えつつ本格的なセキュリティ環境を構築できます。
NET INNOVATIONでは、ネットワークからセキュリティ設備・入退室まで、営業を介さず現役のエンジニアが一貫して対応します。既存の建物・ドアへの後付けも、現地調査のうえ最適な方法をご提案します。「カメラと入退室をまとめて相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。現地調査・お見積りは無料です。関連サービスはセキュリティ設備のページもご覧ください。