社内ネットワーク構築、結局いくらかかるのか
「社内ネットワークの構築を検討しているが、相場が分からない」 「相見積もりを取ったら 50万円 と 200万円 で開きが大きすぎる」
中小企業の経営者・情シス担当者から、年に何度も同じ質問を受けます。この記事では、当社が実際に手掛けてきた構築実績をベースに、2026年時点での中小企業向けネットワーク構築の費用相場 を規模別に整理しました。
見積もりが妥当か判断したい方、複数社の見積もりを比較したい方の判断材料になれば幸いです。
規模別の費用相場サマリー
まず結論から、規模別の総額目安です。すべて新規構築・税抜・東京エリアでの目安。
10名規模(スタートアップ・士業事務所・小規模店舗)
- 総額目安: 15万円〜40万円
- 主な構成: 法人向けルータ + スイッチ1台 + 無線AP 1〜2台 + 簡易ファイアウォール
- 工期目安: 1〜2週間
30名規模(中小オフィス・1フロア)
- 総額目安: 30万円〜80万円
- 主な構成: ルータ + スイッチ2〜3台 + 無線AP 3〜5台 + UTM/ファイアウォール
- 工期目安: 2〜4週間
50名規模(複数部署・会議室複数)
- 総額目安: 60万円〜150万円
- 主な構成: ルータ冗長化検討 + スイッチ4〜6台 + 無線AP 6〜10台 + UTM + 監視
- 工期目安: 4〜6週間
100名規模(中規模オフィス・複数フロア)
- 総額目安: 100万円〜300万円
- 主な構成: ルータ冗長化 + コア/エッジスイッチ構成 + 無線LANコントローラ + 上位UTM + 監視・ログ管理
- 工期目安: 6〜10週間
100名規模を超えると、拠点間VPN・SD-WAN・大規模無線LAN設計などの要素が加わり、要件次第で総額が大きく変わります。
費用内訳のリアル
総額の中身を分解すると、おおむね以下の比率になります。中小オフィスの場合の典型例。
機器代金(総額の 40〜55%)
- 法人向けルータ / UTM: 8万円〜30万円(YAMAHA RTX シリーズ、Fortinet FortiGate、Cisco Meraki など)
- L2スイッチ: 1台あたり 3万円〜15万円(規模・PoE対応有無による)
- 無線AP: 1台あたり 3万円〜10万円(コンシューマ機ではなく業務用)
- 配線材: LANケーブル・パッチパネル・ラック等で 5万円〜20万円
LAN工事費(総額の 25〜35%)
- 配線工事: 1配線あたり 5,000円〜10,000円が目安。30配線で15万円〜30万円
- 天井裏配線: 通常配線の 1.5〜2倍
- 既設配管利用 vs 新規工事: 既設が使える場合は大幅に削減可能
設計・構築・設定費(総額の 15〜25%)
- 要件定義 / 設計: 10万円〜50万円
- 機器設定・コンフィグ: 規模により 5万円〜30万円
- 動作確認 / 引き渡し: 5万円〜15万円
保守費用(別途・月額)
- 月額保守契約: 1万円〜10万円/月(規模・対応範囲により)
- 障害対応スポット: 1案件 5万円〜
見積もりが大きく分かれる理由
冒頭で書いた「50万円 vs 200万円」のような差はなぜ起きるか。実際の現場で見てきた要因を 5 つ。
1. 機器グレード(業務用 vs エンタープライズ)
業務用機器とエンタープライズ機器では、同じ機能でも価格が 3〜5 倍違うことがあります。中小オフィスで Cisco Catalyst 上位機種が必要なケースは稀ですが、見積もりにそれが入っていると一気に高額化します。
2. 冗長化の有無
ルータ・スイッチ・回線の冗長化を入れるかどうかで、機器代と工数が大きく変わります。100名規模未満で冗長化必須なケースは少数派ですが、業務継続性を重視する業種では検討価値があります。
3. 無線LAN AP の台数
「とりあえず多めに」で AP を 1.5 倍提案する業者と、現地調査でサイトサーベイした上で必要最小限を提案する業者で、無線関連費用が 30〜50% 変わります。
4. 配線工事の範囲
既設配管を再利用できるか、新規で配線工事を入れるかで工事費が倍以上変わります。これは現地調査をしないと見積もれません。現地調査なしで安く見積もる業者は注意。
5. 設計工数
「Excel に機器一覧を並べただけ」の設計と、「ネットワーク図・IPアドレス設計書・運用手順書まで作る」設計で、設計費が 5〜10 倍違います。後者は引き渡し後の運用コストを下げる効果があります。
相見積もり時のチェックポイント
複数社の見積もりを比較するときに見るべきポイントを 6 つ。
- 現地調査が含まれているか(含まれていない見積もりは不確定要素が多い)
- 機器の型番が明示されているか(「ルータ一式」のような曖昧な記述は要注意)
- 保証・保守条件が明確か(オンサイト対応か持ち込み対応か、駆け付け時間など)
- 追加費用の発生条件が書かれているか(後出し請求の予防)
- 設計ドキュメントの納品物が明示されているか(ネットワーク図・運用手順書など)
- 設定変更・将来拡張時の費用感(運用フェーズの透明性)
開発会社にネットワーク構築を頼むメリット
当社のような Web アプリ開発・AI 導入も手掛ける会社にネットワーク構築を頼む利点を、ステマっぽくならない範囲で挙げると、
- 業務システムを後から追加することを前提に、帯域・セキュリティ設計を最初から組める
- クラウド連携(Microsoft 365 / Google Workspace / AWS)を意識した設計が標準
- 業務 SaaS の本番運用知見があるので、運用フェーズで仕様変更が必要になった時の対応速度が早い
- 内製チームを持っているので、機器商社経由で発注した場合と比べてコミュニケーションコストが低い
逆に、SIer 専業の方が強い領域もあります(大規模拠点・既存資産が多い環境のリプレース・特殊機器対応など)。会社規模と要件に応じて選ぶのが正解 です。
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